騎士団長殺し


大学2年生の時に、
どういういきさつがあったのかは全く覚えていませんが、
母親から村上春樹の「ノルウェイの森」を、
読んでみたらと手渡されました。

おもむろに読み始めると、
永沢先輩が、

「現代文学を信用しないというわけじゃない。
ただ俺は時の洗礼を受けていないものを読んで貴重な時間を無駄にしたくないんだ。人生は短い」

と言う。


大根の首の部分のように青く甘い当時の僕は、
わりと素直に感化されてしまって、
近所にブックオフがあったのをいいことに、
100円コーナーで古い小説を買っては、
よくわからないままに読み耽る。

「カラマーゾフの兄弟」のアリョーシャの長い宗教問答のシーンはちんぷんかんぷん。

トーマス・マンの「魔の山」は何度も登頂試みるもうまくいかず。

スタンダールの「赤と黒」のジュリアン・ソレルの痛々しいほど傲慢な野心。

「ライ麦畑でつかまえて」のホールデン・コールフィールドの切なくってずぶずぶな逃避行。

ヘッセの「車輪の下」に押しつぶされてしまった少年の挫折と劣等感と悲しい結末。


たくさんの古い小説を読みはしたけれど、
それで何かを決定的に得たというものはなく、
むしろ、もう少し効率的な時間の過ごし方があったんじゃないかとさえ思う。

振り返るとずいぶんな遠回りをしたなと今は思うけれど、
良くも悪くもそうやって過ごした時間の上に僕はいる。

変えることのできない過去を、
コネコネいじくる気はさらさらないけれど、
その時々で楽しかったことを思い返してみたくなる時もある。

そんな気分にさらされて、
ミュージックステーションに20年ぶりに出演した小沢健二が、
ありえないほどの緊張感を画面いっぱいにまき散らかしていて、
テレビの前でみているこっちが、
手のひらに人、人、人、と3回書いて飲み込んでしまいたいと思ったプレミアムフライデーに発売になった、
村上春樹の「騎士団長殺し」を買って帰る。

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新刊であっても、
どこか懐かしい文章に触れていると、
このまま読んでいたくなるけれど、
それではワークショップの準備がままならない。

できる限りちゃんと仕事もしたいし、
休みの日は子どもたちとがっつり遊んであげもしたいけど、
たっぷり眠って休みもしたい。

今さらながら、
永沢先輩が言っていた人生は短いという言葉が、
20年経って身に染みています。

週末に、
みんなのてぬぐい研究室と西荻ラバーズフェスの版下を作成して、
レトロ印刷に発注しました。


今回、直前になって実行委員会さんからロゴ使用の許可が出ましたので、
ラバーズフェスのロゴのてぬぐいもワークショップで作れます。

下記のロゴです。

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イグサークル・こけし・ラバーズフェスの3版を同時進行という、
前代未聞のスクランブルワークショップになります。

トラブル必至の予感です!
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